幽霊の事情:07 / サーシャの場合

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「え〜? 見えないんだけどぉ?」
    一般的に、昼休みの時間。 例によって…と言うか、案の定サーシャに付き合わされている相原である。
「…何で、見たいかな〜」
    居ても驚かないが、だからと言って特に見てみたいとも思わないから。 見たい…と騒ぐサーシャの気持ちが全く分からない相原が、お人好しにも付き合っている現在(いま)の自分に、1人愚痴てみたりして。
    司令本部、その廊下。 資料室…など、無人ではないが人口密度と人通りの少ない一角(あたり)。 昼休みに離れていて、尚更。
    …と言うより、この間からの「幽霊騒ぎ」に人通りはそれ以前より減っているのだが。

        ◇     ◇     ◇     ◇

    本来サーシャに取っ掴まったのは、自業自得とは言え南部なので。 勿論、この場にしっかりと居る。
「才能無いんですから、諦めたらどうです?」
しかし、言葉は遠慮も容赦も無い。
「…って、こういうのも『才能』な訳?」
    相原の突っ込みなんて…この際、全く聞こえていないサーシャと南部だ。
「絶対、見るもんっ」
    何だか…以前にも見た事あるような、無駄なくらいにその気で張り切っているサーシャと。
「だから、さっきから『ここに居る、そこに居る』と教えてるでしょ」
相変わらずマイペース、しれ…っと非日常的な事を言ってのける南部と。

「ねー? 僕、ここに居る必要有る訳?」
    嫌なら帰れば…とも言ってくれそうに無い2人に、そんな消極的に我意を伝えた所で通じる訳が無いのだが、一応は呟いて。
    そうして、どうせ昼休みが終わるまでの我慢だし…と仕方無くついて歩きながらも。 司令本部内の「幽霊分布地図」作れそうだなあ…などとも思っていたりする、相原だった。

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Last Update:20060830
Tatsuki Mima