さて、こちら。
一度は騙され誤魔化されたが、しっかり思い出したお子様たちである。
「無いんだって」
「島さんが言ったの〜」
そりゃそうだろう…と言うか、正直にそのまんま言ったのか、島さんってば。
最初にまずそう思ったが、そのついでに。
何で…この2人はそんな事をわざわざ、私に報告に来るのよ…とも思ったサーシャだ。
見た目には、全くお構い無し。
2人からは、車も運転出来る「大きな遊び友達」だと思われてるからだが、そんな事はサーシャは知らない。
「お姉ちゃん所、有る?」
2人に声を揃えて言われて、うわ…こっちに来たしっ。
瞬間、サーシャの頭の中を過(よ)ぎったのは、いつかの島の書斎(へや)の有様。
あれをもう一度片付けさせられるのも遠慮したいが、その前に「どうして止めなかった」…とお父さまにキレられるのも御免だ。
「無いっ!絶っ対、無いっ!!」
言った途端に、至極残念そうなお子様2人組。
ものすごくがっかりしたような表情に、つい…うっかり。
自分が苛めたような、可哀想に思ってしまって。
「えーと…うちには無いけど、他には有ると思うのよ」
「何処?」
「誰の所?」
即座に戻ってきた質問に、失敗したかも…と思い直したが、もう遅い。
◇
◇
◇
◇
出勤前。
司令本部の玄関先で、相原に捕まったサーシャである。
「余計な事、言わないのっ!」
「だってえ〜っ」
2人に問われて仕方無く、そろそろ絵梨が下校してくるだろう南部の部屋と、その日は晶子が居ると分かっていた相原の官舎に。
「でも、晶子さんが出してくれたから散らかしてないもんっ」
同じく、南部の所でも絵梨が写真を探し出してきたから、いつぞやのように片付けなければならないような騒動は起こしていない。
「僕の官舎(ところ)は、ね」
「…はい?」
溜息で一つ、話を区切ってから。
「その後、壱弥も交ざってお義父さんの家と…長官の所にも行ったんだよっ」
「…また、すごい所に…」
違う意味で、大騒動である。
「南部の実家(いえ)にも行ったらしいから。
そっちも…覚悟しとけば?」
「や〜ん、それも私の所為〜?」
▲ |
<前頁
Last Update:20061018
Tatsuki Mima