「決着」を着けたかった…って事でしょう。
色んな意味で、ね。
第一に、ヤマト。
平和な時代に生まれた戦艦なら、単に耐用年数の問題で廃艦になっても良いんだろうが、生憎とヤマトは「戦いの時代」に生まれてしまった艦。
それなら「沈む」のが、その終わりである方が当然。
だから、沈んだ。
戦艦大和と同じく、艦長を乗せたまま。
次に、古代と雪。
設定が2203年ならば、この2人が出会ってから4年。
結婚式が延期になってからでも、既に2年。
見ている方のリアルタイムでは、10年目。
いい加減に、その恋愛に決着を付けても良い年数。
だから、ラストに雪のウェディングドレス。
…しかし、この2つ。
古代が「艦長」のままでは、絶対に並び立たない。
在り得るとしたら、それは「さらば」のラストの繰り返し。
だから、古代以外の「艦長」の存在が必要になった。
…で、何故。
それが、沖田艦長になるのか?
古代が艦長職を辞した後、新しく「○○艦長」が就任。
その人が全てを背負って、自沈しても別に構わなかったはず。
ストーリ的に、破綻は無い。
だが、それでは観ている者にとって納得がいかない。
今更出てきた愛着も無いキャラクタに、何故「ヤマトの最期」を委ねなければならないのか。
シリーズに対して、思い入れが深ければ深いほど、きっと納得出来ない。
それは多分、キャラクタにとっても同じ。
特に、最初の航海から見てきた第一艦橋メンバーなら、新任艦長に任せるくらいなら「自分が残った方がマシ」だろう。
或いは、その場に居たはずのデスラーにヤマトを撃ってもらった方が、余程納得出来るに違いない。
デスラーにとっても、それなりに「思い入れのある」艦だったのだから。
沖田艦長を、わざわざ復活させてまで艦長職に就けたのは、全てそれだけの為。
実際を言えば、沖田艦長でなくともキャラクタ・観る側ともに納得の出来る人は居なくはなかった。
例えば、藤堂長官。
本編中で、誰もが一瞬そう誤解したように。
最初の航海から一貫して、ヤマトとその乗員に対する立場と態度の変わってないキャラクタ。
指揮統括能力はともかくとして、新旧乗員の誰も異存の無い人だったはず。
例えば、土方艦長。山南艦長。守。
他艦の艦長経験者だったり、ヤマトの艦長であったり。
それまでのシリーズで、仮に死亡する事なく負傷程度であったならば、今回ヤマト艦長に就任・再任されても、絶対に在り得ないという人ではなかった。
…誰もが、古代にとってそれぞれに思い入れのある人間ばかり。
そして、古代をしっかり「説得」する事が出来たはずの人間ばかり。
殊に、守の場合。
血縁のある分だけ、沖田艦長以上に無条件で古代は泣けるはず。
スタッフ側としても、あざとく「涙」に持っていけたはず。
要するに、沖田艦長が復活せざるを得なくなったのは、今までのシリーズでキャラクタを無意味なほど安易に死なせ過ぎた結果なんだろう。
その為に、不自然な「沖田艦長の復活」に頼らざるを得なくなり、しかもまた…死なせてしまったのだ。
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Last Update : 20040213
Tatsuki Mima