雪:03

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    蒼い空、記憶より遠い波打ち際。 灰色の街は天を突くように伸び上がり、その中に人々の生活の音。
    でも…まだ赤い大地。

    一面に曇った空から、ひとつ、ふたつ。 微かな風に揺らぎながら、雪華が舞い落ちてくる。 大地の上に跡だけを残しては、みっつ、よっつ。 名残惜しげに、雪片は消えていく。

    こんな時でも、四季は巡(めぐ)る。 忘れ掛けていた秋も、いつの間にやら過ぎ去って。 まだ赤茶けたままの大地にも、造り掛けた灰色の街にも、冬は訪れて。
    最初は雪を嫌うように、その表面に融かしていた大地も、街も。 いつしか、そんな事を忘れたように。
    そして、今や…見渡す限り、うっすらと雪化粧。

    今…この地球(ほし)を、宇宙(そら)から眺め降ろしたとしたら。 もしかしたら、透きとおるような銀色に見えるんじゃないかな?
    だって…ほら、綺麗だろう? 傷付けられた赤さがこの瞳に映らないというだけの事で、この惑星(ほし)は…こんなにも。
    いつか遠い日に、至極当たり前のように在った、冬の姿をして。

    …綺麗だったんだよ、この地球(ほし)は。
    現在(いま)はほんの少し、疲れてしまっているだけで。 本当は。

    いつものままの冬に、積もった雪の下にゆっくりと眠って。 この次の春に目を覚ました時には、その傷が癒えてしまっていれば良いのに。
    滴(したた)るような一面の緑に、包まれて。 懐かしい、いつかの風景がまた…この地上に広がって。
    …良いじゃない。 永い冬の間に、そんな夢を見たって。

    何もかもが雪の下に、深く深く眠る季節に。
    それは、きっと…この地球(ほし)も、傷付きながらもずっと見ていた夢だから。

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Last Update:20051003
Tatsuki Mima